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食べちゃいけないシリーズ
2024.04.04/ 疾患ブログ

こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!

今回からわんちゃんやねこちゃんが食べちゃいけないものをシリーズでご紹介します。
いろいろなところで耳にする機会があると思いますが、食べちゃいけないのは知っているけど、どうして食べちゃいけないのかまでは知らない、なんてものもあるかと思います。
この機会にそんな疑問を知識にしてしまいましょう。

①ネギ類
ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニクなどのネギ類を食べちゃいけないのはご存知の方も多いと思います。
加熱や乾燥加工されていても有害成分は壊れないので、すき焼きの煮汁なども要注意です。
ネギ中毒の症状はネギ類を食べてから1日から数日で現れます。
赤血球が壊されてしまう溶血性貧血を起こす他、嘔吐や下痢、腹痛などの症状が出ることもあります。
壊される血球が多くなると最悪の場合、死に至ることも。

②チョコレート
みんな大好き、チョコレート! おやつの定番ですね。
それだけに、わんちゃんが食べてしまうケースがとても多い食品です。
チョコレートに含まれる、テオブロミン、カフェインがチョコレート中毒の原因物質です。これらの成分はカカオの含有量に依存しますので、ホワイトチョコレートは極めて少なく、ミルクチョコ、ダークチョコの順に増えていきます。
症状は早ければ2〜4時間で現れ、嘔吐、下痢などの消化器症状から、過剰な興奮、高血圧、頻拍、チアノーゼなどの神経症状や循環器症状を呈することもあります。
摂取してから時間が経っていない時は、吐かせることで中毒の発症を回避できることも多いので、気がついたらすぐに病院に電話をお願いします。

③ぶどう類(レーズン含む)
秋の味覚、ぶどう。近年では皮ごと食べられるシャインマスカットが人気ですね。
でもわんちゃん、ねこちゃんには毒なのです。
ぶどうの品種に関わらず、生でも乾燥させたものでも調理したものでも中毒を起こします。果肉だけでなく、皮だけの接種でも中毒を起こした子もいるようです。
ぶどう中毒は急性の腎障害で、接種から24時間以内の嘔吐が特徴的です。続いて下痢、食欲不振、腹痛、尿が出ない、ぐったりするなどの症状が出てきます。
治療は急性腎障害の治療に準じますが、ぶどうが胃の中に残っていれば吐かせる処置が適応になります。

④アボカド
森のバター、アボカド。 
人には無害ですが、アボカドに含まれる「ペルシン」という成分は人以外の動物にとって有害であると言われています。ペルシンは、特定の品種のアボカドの種、皮、樹皮、葉に含まれる物質ですが、中毒量ははっきりとわかっていません。
アボカドは高脂肪、高カロリーな食材ですので、食べ過ぎると嘔吐や下痢などの消化器症状が出たり、アレルギー反応により呼吸困難や痙攣などを起こすこともあります。
アボカドが原材料に含まれているペットフードもありますが、安全性は確認できているそうですので、アボカドアレルギーがない子には与えても問題はないと思われます。

⑤キシリトール
キシリトールはガムやキャンディー、デンタル製品などに含まれる人工甘味料の一種です。
これも人には無害ですが、わんちゃん、ねこちゃんが接種すると急激な低血糖を起こします。運動失調、けいれん発作を起こすこともあり、発見が遅れると死に至ることもあります。
どうやらキシリトールは膵臓から分泌される血糖値を下げるホルモン、インスリンの分泌を刺激してしまうようです。甘味料なのに、低血糖になるってちょっと不思議ですよね。

⑥いちじく
いちじくは人にとってヘルシーな食材で、好んで食べられる方も多いと思います。
ところが皮や葉、果肉に含まれる成分「ソラレン」「フィシン」はわんちゃん、ねこちゃんにとっては有害なのです。
ソラレンは光毒性物質で、ソラレンが皮膚についた状態で紫外線を浴びると、皮膚に赤みや痒みが出ます。敏感な子は皮膚がただれてしまうこともあります。
フィシンはタンパク質を分解してしまう酵素で、いちじくを切ると出る乳白色の液体に含まれます。口の中の粘膜が荒れてよだれが大量に出たり、嘔吐や下痢を引き起こす可能性もあります。
また、ドライいちじくにはシュウ酸とカルシウムが多く含まれるため、尿石もちのわんちゃんは特に食べないように気をつけましょう。