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1月 西崎げんきくん 脾臓血管肉腫

こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!

1月MVPは緊急手術を乗り越え、現在も抗がん剤治療を頑張っている西崎げんきくんです👏🏻

西崎げんきくん 脾臓血管肉腫
ゴールデンレトリーバー 9歳5ヶ月齢 去勢済みの男の子

脾臓腫瘤

脾臓に塊(腫瘤)が形成される病態です。
原因としては良性の結節性過形成、血管腫と悪性の血管肉腫、平滑筋肉腫、リンパ腫、(塊として形成されず虫食い像のようにみられる場合が多い)、骨肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫などがあります。
脾臓疾患の2/3は悪性腫瘍疾患でそのうちの2/3は血管肉腫と言われています。
血管肉腫は悪性間葉系腫瘍脾臓に発生することが多く右心耳、皮膚、肝臓、肺、腎、筋肉、膀胱、腹膜にも発生することがあります。
転移することが多く転移する臓器としては肝臓、右心耳、大網、腸間膜、肺、脳などです。

血管の腫瘍のため血管が脆くなりそこから出血し血腹、出血性ショックによりすぐに対応ができないと亡くなってしまう場合もある恐ろしい病気です。

 

※出血を伴う術中写真の掲載があります

2024年1月ボール遊びをしていたら急に立てなくなったとの事で来院。
可視粘膜蒼白、頻脈と軽度の低血圧、腹部エコー検査で腹水貯留と脾臓腫瘤を確認しました。脾臓腫瘤破裂、血腹と診断。緊急開腹し脾臓全摘出術と肝臓生検を実施しました。

開腹するとすぐ腹腔内に血液が貯留していました。

脾臓摘出、脾臓の一部が裂けて出血していた様子がわかります。
腫瘤の大きさは4cm程度でした。
出血量が多かったため大きな血餅も肝臓付近にありました。

脾臓摘出後、腹腔内に出血がないことを確認しました。
脾臓の血管肉腫は肝臓に転移することがあるので肝臓生検も実施しました。

摘出した脾臓と生検した肝臓を組織学的検査に供しました。
病理検査結果は血管肉腫で、血管肉腫は転移しやすい悪性腫瘍のため術後は抗がん剤治療も開始しました。
毎週の抗がん剤治療もしっぽを振りながら来院してくれるげんきくん。
私たちスタッフ一同毎回癒され元気をもらっています😭
これからも癌と戦っていきましょう!