糖尿病について
2024.12.06/
疾患ブログ
こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!
今回は糖尿病についてお話しします。
緊急性を要する糖尿病性ケトアシドーシスについての記載もありますこちらも参考にしてみてください。https://morinoki.info/blog/2024/1125_4119/
<病態>
血液中の糖分を細胞に取り込むために必要なホルモン・インスリンが膵臓から分泌されなくなる(犬に多い)、あるいはインスリンの作用が弱まること(猫に多い)によって、高血糖が続く病態を糖尿病といいます。
<症状>
◻︎多飲多尿
◻︎多食
◻︎体重減少、痩せてきた、毛並みが悪い
◻︎嘔吐、下痢
◻︎昏睡、ぐったり (糖尿病性ケトアシドーシス)
◻︎合併症:白内障(犬)、後肢の末梢神経障害(猫)
<診断>
血液検査にて、空腹時の血糖値が250mg/dl以上(犬)、300mg/dl以上(猫)
尿検査にて、尿糖の出現、ケトアシドーシスでは尿ケトン体の出現
血糖値の平均を表すフルクトサミンや糖化アルブミンの高値により診断をします。
<治療>
①インスリンの注射
1日2回、インスリンを皮下あるいは筋肉に注射します。
治療は基本的に毎日になりますので、飼い主様に行っていただきます。
◻︎もしくはSGLT2阻害薬(センベルゴ)1日1回の投与で済む飲み薬も新たに国内認証を受け選択肢が広がりました。作用機序がインスリンとは異なるため状態に合わせて選択します。
②食事療法
糖尿病用のフードを与えます。
食事量は獣医師が指示した分量をきちんと量って与えましょう。
③血糖値測定
治療開始時は低量のインスリン投与から始めるため、適切な単位数が決まるまで頻繁に血糖値をみる必要があります。
④フルクトサミンの定期検査
血糖値が安定してきたら、採血を行い1〜2週間の血糖コントロールマーカーであるフルクトサミンを2週間おきに測定します。
糖尿病は比較的猫ちゃんに多く見られるお病気です。発見が遅れてしまい糖尿病性ケトアシドーシスに進行すると命にかかわることもあります。何か変化や気づきがありましたらお気軽にご相談くださいね。