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曽根アメちゃん 子宮単角症/同側腎無形成による腹腔鏡下卵巣摘出

こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!

今回のMVPは子宮単角症による腹腔鏡下卵巣摘出を実施した曽根アメちゃんです🐈

 

子宮単角症/同側腎無形成とは

本来ワンちゃんや猫ちゃんの子宮は双角子宮と呼ばれ左右に長い2本の子宮角がある構造ですが、子宮単角症は片方の子宮角が形成されないお病気です。子宮はないのですが卵巣は形成されていることが多く、避妊手術の時に卵巣を取り残してしまうことがあります。発生学的に同様の中胚葉から発生する同側の腎臓も形成されていない同側腎無形成が併発している場合もあります。

曽根アメ ちゃん ラグドール 8ヶ月齢 避妊した女の子

他院にて開腹下避妊手術にて、左側の子宮がないとのことで右側卵巣子宮摘出術実施。

術後も発情兆候がありご家族が子宮単角症により左側の卵巣が体の中に残っているのではとのことで当院を来院されました。

腹腔鏡下での気腹による視野の広さを生かし遺残した卵巣を摘出することにしました。

右側腎臓が無形成であったため右側からアプローチをしたところ卵巣が見つかりました。

トライセクトにて止血と摘出を実施しました。

腎臓の無形成を確認するために後大静脈を副腎を露出しました。解剖学的に腎臓があると考えられる位置には腎臓は認められませんでした。

右側の卵巣も部分的に取り残しがある可能性があったので確認しましたが、明らかな卵巣は認められなかったので閉腹し終了としました。

アメちゃんとてもお利口さんに頑張ってくれ、抜糸時にも元気な姿を見せてくれました。

ご家族もお病気についてたくさん調べられていて私も学べせていただくことが多くありました。

私自身子宮単角症の猫ちゃんにお会いするのは初めてでしたが、指導医のもと腹腔鏡の視野の広さを生かし5mm3ヶ所の術創で手術が終了でき安心しました。卵巣遺残は開腹手術ではかなり大きく切皮しないと見つかり辛いことも経験していましたので腹腔鏡のメリットを再度確認できました。

アメちゃんご家族の皆さん頑張ってくれてありがとうございました!