小堀ネロちゃん 腹腔鏡下胃固定術
2025.04.16/
MVP (Morinoki Valiant Pet)
こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!
今月のMVPは完全腹腔鏡下予防的胃固定術を実施しました小堀ネロちゃんです。
小堀ネロちゃん
スタンダードプードル 7ヶ月齢
完全腹腔鏡下胃固定術について
胃拡張・胃捻転とは、大型犬や超大型犬、胸の深い犬種でなりやすいとされ、胃にガスや液体がたまり(胃拡張)その後胃が自らの軸でねじれ(捻転)ることで急速にショック状態となり緊急手術が必要な命に関わる疾患です。
そんな胃捻転を防ぐために去勢避妊手術時に1度の麻酔で胃固定を実施し胃捻転を予防する方法が胃固定術となります。
開腹下と腹腔鏡補助下、完全腹腔鏡下での術式がありますが、当院では1番傷口が小さく痛みの少ない完全腹腔鏡下での胃固定術を実施しております。
ネロちゃんのご家族は同居のわんちゃんが胃捻転で亡くなってしまったことから、去勢手術と一緒に胃捻転の予防のために胃固定をしてあげたい!と考えいろいろ調べていただいたそうです。その中でも完全腹腔鏡下での胃固定術が傷が小さく痛みが軽減でき日帰りで実施できることを知り内視鏡外科ネットワークさんへお問い合わせがあり当院に江原先生をお呼びし実施させていただくことになりました。
ネロちゃんが車酔いしやすい体質でありできる限り当院への来院回数を減らすために術前検査はホームドクターさんで実施していただき結果を共有して頂きました。
手術当日、早速血管確保し点滴を開始しました。
とてもお利口さんに血管確保されるネロちゃん
去勢手術を実施後、完全腹腔鏡下胃固定術を開始しました。
5mmのポートを3箇所設置し、モノポーラーや把針器、鉗子を挿入し腹腔内で操作をします。
胃と腹壁の設置面をモノポーラーで切開し、結紮不要の縫合糸で胃と腹壁を固定している様子
胃固定術で使用した5mmの切開が3箇所と去勢術の術創の様子
その日の夕方に退院、お迎えにいらっしゃったご家族と術後服を着るネロちゃん
大変よくがんばりました!術後にも関わらずトコトコ歩いて帰って行くネロちゃんをみて我々も一安心しました。
今後は超音波検査にて胃が固定されているか術後半年、1年検診を予定しています。
また半年後にお会いしましょうねネロちゃん!