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髙荷アメちゃん ヘモバルトネラ(猫伝染性貧血)

こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!

2024年最後のMVPは髙荷アメちゃん ヘモバルトネラ(猫伝染性貧血)です!

 

髙荷アメちゃんについて 

8歳5ヶ月齢 保護猫 避妊した女の子

ヘモバルトネラ症(猫伝染性貧血)について

ヘモバルトネラはリケッチアと呼ばれる病原体で、赤血球に寄生して貧血を引き起こします。

ノミなどから伝染することや感染した猫ちゃんとケンカやグルーミングをすることから感染すると考えられています。貧血が起きると、鼻の頭や歯茎が真っ白になり、運動すると息切れをしたり倒れたり、元気食欲がなくなったりします。多くの場合はヘモバルトネラが体の中に潜んでいて、そこにストレスやウイルス感染(猫白血病ウイルスやエイズ猫免疫不全ウイルス)が加わると急に貧血になります。抗生物質でヘモバルトネラを駆除できれば赤血球の産生には影響がないことから回復がみられます。しかし、猫白血病ウイルスやエイズウイルス感染症があると治療効果が出ないこともあります。

 

アメちゃんの場合、

11月16日食欲低下とのことで来院、血液検査にて軽度腎数値上昇あり、その他異常値なし、猫エイズウイルスと猫白血病ウイルス検査共に陰性

超音波検査にて脾臓の多数の低エコー結節がありました。

超音波所見を画像診断アドバイザーの河口先生に提出相談し、肥満細胞腫、リンパ腫、免疫介在性溶血性貧血、ヘモプラズマ症を鑑別診断として挙げました。

その日はHt正常で貧血なく、ビリルビンも正常であったため細胞診を実施しました。

食欲に波があり強制給餌を開始しアメちゃんとご家族に頑張ってもらいました。

11月21日外注病理検査の結果リンパ腫の可能性も否定できずとのことでクローナリティ陰性とのこと。病理検査結果お話時やや呼吸促迫を認め血液検査を実施Ht9.3%に減少(16日45%)血液塗沫検査にて、赤血球にヘモプラズマを発見しました。

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抗生剤治療を開始、食欲安定せず投薬が難し時には通院していただき投薬しました。

11月26日にはHt13.8%、12月4日21.2%、12月10日31.1%と正常値となり、徐々に食欲も出て、今では自ら食べられるようになりました。

投薬や給餌を、アメちゃんとご家族が毎日頑張ってくれたおかげで食欲を取り戻すことができました。アメちゃんもとてもいい子に頑張ってくれましたし、お母さんは指導に入った看護師を名人と呼んでくれたりととても熱心に治療に参加してくれて私たちも沢山パワーを頂きました!