犬アトピー性皮膚炎について
2024.12.09/
疾患ブログ
こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!
今回はわんちゃんのアトピー性皮膚炎についてお話ししたいと思います。
犬アトピー性皮膚炎とは
若齢期に発症することが多く、遺伝的な素因が関与している(アトピーの体質)と考えられています。気候や環境中の物質、食事、皮膚常在菌のバランス異常、細菌やマラセチアの二次感染、掻きこわしなどにより症状が悪化します。痒みや外耳炎を起こすことが多く、年齢とともに悪化する傾向があるとも言われています。アトピー体質とは生涯のお付き合いになるので、動物とご家族が続けられる治療を選んでいきましょう。
痒み止めを使いましょう
⬜︎ プレドニゾロン
⬜︎ シクロスポリン
⬜︎ オクラシチニブ
⬜︎ ロキベトマブ
⬜︎ 外用ステロイド剤
コルタバンス
アレリーフ
リンデロンA
リンデロンVG
モメタオティック
ビクタスクリーム
使う量は人差し指第1関節分または1円玉1枚分(0.5g)で、手のひら2枚分のエリアです。塗り薬はつけすぎると皮膚が弱くなります。量と回数を守って使ってください。舐めやすい部位は塗布後30-60分で拭き取りましょう。
⚪︎季節やアレルギーの病期に合わせたシャンプーを使いましょう
感染のコントロールが最優先です。炎症が強い時は保湿より炎症を抑えることが大事です。その後に、高温多湿の夏季は脂漏対策、乾燥しがちな冬季は保湿/低刺激+保湿を組み合わせてコントロールしていきます。
⚪︎保湿剤を使いましょう
アトピー性皮膚炎の子の肌は皮膚バリア機能異常が起きていると言われています。細胞間脂質が少ないことが指摘されているため、保湿により補うことが大切です。
⚪︎食事を意識してみましょう
食物アレルギーを併発していないかの判断は大切です。その上で、皮膚の構造強化する必須脂肪酸やビタミンEを多く含む食事やサプリメントは治療のサポートになります。
⚪︎その他の治療(減感作療法)
ハウスダストマイト(Delf-2)が検査で陽性が出た場合、減感作療法を選択できます。ほんの少量からアレルゲンを投与することで、身体が過剰反応することを抑えます。唯一の原因治療になります。
かゆみや肌荒れ人もわんちゃんも辛いものです。アトピー性皮膚炎だと思っていても感染や寄生虫、アレルギー、ホルモン異常が原因としてありそこを治療すると症状が改善されることもあります。まずはしっかりと検査診断をし、いろいろな方法でアトピーと一緒に向きあっていきましょう。ゆっくりとお話し検査診断できるように皮膚科専用の診察枠も設けておりますお気軽にご相談くださいね。