膵炎について
2024.06.26/
疾患ブログ
こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!
今回は膵炎についてお話ししたいと思います。
膵炎ってどういう病気?
膵臓は脂肪を分解するための酵素(リパーゼなど)や血糖値をコントロールするためのホルモン(インスリン)を分泌する臓器です。膵炎は膵臓に炎症が起きる病気で、激しい症状を示す急性膵炎と、ほとんど症状がない慢性膵炎があります。急性膵炎では膵臓周囲の脂肪壊死や無菌性腹膜炎を生じます。重症の場合は多臓器不全になり亡くなってしまうこともある怖い病気です。
<症状>
◻︎嘔吐 ◻︎下痢
◻︎食欲不振 ◻︎腹痛(祈りのポーズ)
<好発犬・猫種>
テリア種、ミニチュア・シュナウザー、短毛の雑種猫が発症しやすいと言われていますが、年齢性別関係なく全ての犬・猫種に発生します。
<治療方法>
重症の場合は入院での輸液療法が必要になりますが、症状が軽度〜中程度の場合は通院での治療となります。
◻︎輸液
◻︎抗生剤
◻︎抗炎症薬(ブレンダZ/ステロイド)
◻︎制吐剤(膵臓の炎症を抑える効果も)
◻︎鎮痛剤(腹痛がある場合)
◻︎整腸剤・止瀉薬(下痢がある場合)
お食事の変更も必要になります。
膵炎の時は低脂肪の食事が必要になります。ドライフードや缶詰が食べられるようであれば、病院から処方される低脂肪食を使用します。再発しやすい病気なので治った後も他の病気がなければ低脂肪食を継続します。
炎症が激しい時期は食欲が落ちてしまい、ドライフードや缶詰を食べられないことも多いです。その場合は、脂質の低い食材を与えてみてください。目新しいものだと食べてくれることがあります。
<低脂質食材の例>
ささみ 120kcal/100g
白米 350kcal/100g
さつまいも 130kcal/100g
かぼちゃ 93kcal/100g
豆腐 55kcal/100g
その他試してみたい食材があればご相談ください。
それでも食べないようであれば、強制的な栄養補給が必要になります。
◻︎強制給餌:シリンジなどを用いて口から缶詰や流動食を強制的に食べさせる方法
◻︎経鼻カテーテル:鼻から食道にかけてカテーテルを留置して、液状の流動食をシリンジで入れる方法
◻︎食道瘻チューブ:食道にチューブを設置して流動食を入れる方法。設置には麻酔が必要です。
膵炎は痛みを伴うことがあります、気になる症状があればお早めにご相談くださいね。