大体骨頭壊死症(レッグ・カルベ・ペルテス病)
2024.05.20/
疾患ブログ
こんにちは、熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!
本日は無菌性大腿骨頭壊死症(レッグ・カルベ・ペルテス病)についてお話しします。
主に成長期の小型犬種に発症する病気です。大腿骨頭への血液供給が障害されることで、大腿骨頭の成長障害や変形、壊死が起こり、そのため痛みが生じます。
症状
◻︎歩き方がおかしい
◻︎反対足に比べると筋肉が細い
◻︎股関節を伸展させると痛がる
好発犬種
トイ・プードル、ポメラニアン、チワワ、マルチーズなどの1歳未満の子
検査診断
◻︎歩様検査(歩き方をみてどこに違和感があるかチェックします)
◻︎触診(筋肉や関節が正常か、痛みがあるか評価をします)
◻︎レントゲン検査(大腿骨頭の変形や壊死による変化があるか見ます)
治療方法
◻︎温存療法(内科治療)
痛みがない様に消炎鎮痛剤を使用したりします。症状が軽度の場合は温存療法でも維持できる場合もありますが、多くの場合には手術が必要になることもあります。
◻︎外科手術(大腿骨頭切除術)
当院では壊死した大腿骨頭を取り除く方法(大腿骨頭切除術)を採用しています。壊死変形を起こしてしまった大腿骨の先端を切除し痛みから解放するのが一番の目的です。切除された大腿骨頭に代わって線維組織が関節の役割を担い、リハビリによって歩ける様になります。
当院では実施はないですが希望があった場合や大腿骨頭切除術が適応でない場合は人工関節術を実施の病院様もご紹介させていただきますのでベストな治療を一緒にご相談していければと思います。
痛みがありかばって歩く期間が長いほど筋肉はどんどん薄く衰えてしまい一度落ちた筋肉はリハビリで戻すのも大変です。早期の診断と治療が大切です。当院ではワクチン接種前などの身体検査に当院では足の触診もルーチーンに入れて早期発見を目指しています。また早期発見にはご家族の観察がとても重要ですので、なにかお気づきがある場合にはお気軽にご相談くださいね。
治療後にはオーダーメイドのリハビリプランを作成しご家族の皆様にご協力していただきながらご自宅でのリハビリと通院でのリハビリと術後評価を合わせてながら実施していきます。
毎月当院で治療をがんばった子に敬意を込めて表彰させていただいている月間MVP3月の若林ココちゃんもこのお病気で実際の手術やリハビリの様子を掲載しているのでぜひご覧になってくださいね。