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去勢手術について
2024.03.16/ 疾患ブログ

籠原駅近く熊谷市の森の樹どうぶつ病院と江南森の樹どうぶつ病院です!
今回は、わんちゃんの去勢手術で予防できる病気についてご紹介します。
おうちの子の手術をするか迷っている方はぜひご一読ください。

①精巣腫瘍
去勢手術では精巣を摘出しますので、精巣にできる腫瘍を予防できます。
精巣腫瘍には精上皮種(悪性)、セルトリ細胞腫(悪性)、間細胞腫(良性)があります。
潜在精巣では陰嚢内にある精巣よりも、鼠蹊部では4倍、腹腔内では10倍以上、腫瘍になる確率が高くなると言われています。

②会陰ヘルニア
肛門周囲の筋肉が精巣からのホルモンが原因で加齢とともに薄くなり、
便が出にくくなる病気です。
進行すると自分で排便できなくなり、定期的な処置や手術が必要になることもあります。

③前立腺肥大、前立腺嚢胞
前立腺肥大により、便が細くなったり、排便時に痛みがでます。
肥大とともに前立腺の中に嚢胞ができると、繰り返し血尿が起こります。
ホルモン療法で改善することもありますが、しばらくすると再発することが多いです。

④肛門周囲腺腫、肛門周囲腺癌
精巣からのホルモンが原因で、肛門の周囲にできるしこりです。
小さいうちは症状はありませんが、
大きくなり自潰すると出血が始まります。
この出血は排便時に起きやすく、圧迫止血もできない場所なので
出血のコントロールが困難です。

⑤マーキング、攻撃性の抑制
病気ではありませんが、マーキング行動や他のわんちゃんを見つけると
吠えて飛びかかろうとするなどの問題行動の原因として、
精巣ホルモンの影響があります。

去勢手術を行うと、これらの症状が改善することもあります。

もちろん、手術のデメリットもあります。
去勢手術をしてしまうと、もう子犬が望めなくなることと、
短時間の手術ではありますが麻酔のリスクもあります。

おうちの子に手術を受けてもらうかどうか、ご家族で話し合ってみてください。
わからないことがありましたら、いつでも獣医師や看護師にご相談くださいね。