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1月MVP まりちゃん 胆嚢粘液嚢腫

1月のMVPは
木村マリくん ポメラニアン13歳 去勢した男の子

胆嚢粘液嚢腫
胆嚢粘液嚢腫とは、本来液体状の胆汁を溜めておく臓器である胆嚢の中にゼリーようのムチンが蓄積してしまう病気です。さらさらの胆汁であれば正常に十二指腸へ胆汁を押し出すことができますが、ねばねばしたゼリーのような粘液が溜まってしまうと十二指腸へ押し出すことができなくなります。そうすると胆嚢内にぱんぱんに圧がかかり胆嚢壁の血流が滞ることで壊死、脱落を起こし胆嚢破裂が引き起こされる可能性のある怖い病気です。
実際に摘出した胆嚢に割面を入れるとぎっしりとゼリー状のムチンが詰まっているのがよくわかります。

診断はエコー検査による形態評価でキウイフルーツと表現される特徴的な画像を呈し、食欲不振や黄疸などの臨床症状と血液検査での肝酵素の上昇とを併せて評価します。

元気食欲の低下と嘔吐を主訴に来院され、診察時に可視粘膜の黄疸と腹部圧痛を血液検査にて白血球数、ビリルビン肝酵素ALPとCRPの上昇を認めました。
エコー検査にて胆嚢の過度な拡張、非可動性の高エコー源性の胆泥が胆嚢中心に形成され胆嚢壁は放射状パターンあり、胆嚢周囲の肝臓の高エコー像を認め胆嚢粘液嚢腫と診断し、緊急入院となりました。
翌日に胆嚢摘出術、胆汁感受性検査、肝臓生検を実施いたしました。
手術を乗り越え、術後4日間は入院とし点滴と抗生剤、ウルソ、ブレンダZの投薬を頑張りみるみる明るい笑顔と食欲を取り戻してくれました。
術後検診ではしっぽをふりふりご機嫌で来院してくれ、血液検査では上昇していたビリルビンCRP肝酵素は正常値へ、ALPは正常値を超えていますが術前よりも数値は減少しました。
病理検査結果は胆嚢は嚢胞性粘液性過形成(胆嚢粘液嚢腫)。肝臓は胆汁鬱滞、グリコーゲン沈着でした。

現在は低脂肪食とウルソ、リバフィットの内服で管理しています。
先日13歳の誕生日を元気に迎えることができ森の樹スタッフ一同を笑顔にしてくれました。